独南部にガス発電所建設、エネルギー大手RWEが計画

エネルギー大手のRWEがドイツ南部のグンドレミンゲンに大型天然ガス発電所を建設する計画だ。同地の原発は近い将来、稼働を停止することになっており、その後に予想される独南部の電力不足を解消する狙いがある。ロルフマルティン・シュミッツ社長がデュッセルドルフ経済記者クラブで明らかにした。

グンドレミンゲンには現在、原発が2基ある。発電能力は計2,700メガワット(それぞれ1,350メガワット)で、地元バイエルン州の電力需要のおよそ4分の1に相当する。

そのうち1基は今年12月、もう1基は2021年12月に稼働停止となることが、ドイツの原発廃止政策で決定している。

同国は原発と火力発電を減らし、再生可能エネルギー電力の利用を拡大していく政策を推し進めている。再生電力は発電量が天候に大きく左右されることから、電力ミックスに占める割合が高まれば高まるほど、電力の需給調整が難しくなる。

RWEはこうした事情を踏まえて、ガス発電所を建設する考え。ガス発電機は短時間で起動・停止できることから、電力の需給調整に適している。

建設地をグンドレミンゲンに選定したのは、◇原発がある関係で高圧送電インフラがすでに存在する◇ガスパイプラインに近い◇ドナウ川に近いため蒸気を水に変える際に必要な冷却水を確保できる――という好条件がそろっているためだ。すでに原発の隣接地に用地を確保した。

供給不足時に取引所で販売される電力のスポット価格は高いことから、同社はガス発電所を建設しても採算が合うと判断した。

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