メルク―1-3月期2ケタ増益に―

製薬・化学大手の独メルク(ダルムシュタット)が18日発表した2017年1-3月期(第1四半期)決算の営業利益(EBITDA、特別要因を除く)は前年同期比14.5%増の12億4,000万ユーロへと拡大した。糖尿病治療薬分野のライセンス取引と、抗がん剤「アベルマブ(Avelumab)」の認可に伴うマイルストーン収入で水準が押し上げられた。売上高は5.3%増の38億6,100万ユーロで、売上高営業利益率は前年同期の29.6%から32.1%へと上昇した。

純利益は11.8%減の5億2,100万ユーロへと落ち込んだ。比較対象の16年1-3月期はフェニルケント尿症(PKU)治療薬「クバン(Kuvan)」事業の売却で特別利益3億2,400万ユーロを計上しており、その反動が出た格好だ。

ハイテク化学品を手がけるパフォーマンスマテリアルズ部門は為替要因などを除いた実質ベースで売上高が0.9%減少した。メルクが強みを持つ液晶分野で中国企業が急速に力を付けていることが響いた格好で、EBITDA(同)も3.7%減の2億6,300万ユーロへと落ち込んだ。同社はこれまでディスプレーに限られていた液晶の投入分野を窓など新たな分野に拡大し、同事業の長期安定を確保する考えだ。

メルクは今回、17年12月期の業績見通しも発表した。売上高で155億~160億ユーロ(前期150億2,400万ユーロ)、EBITDA(特別要因を除く)で44億~46億ユーロ(前期44億9,000万ユーロ)を見込んでいる。

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