マーケル―独に会社設立、英のEU離脱にらみ―

保険大手の米マーケルは18日、ドイツに子会社を設立する計画を明らかにした。英国の欧州連合(EU)離脱(ブレグジット)をにらんだ措置で、独金融監督庁(Bafin)の承認を得て2018年上半期に新会社をミュンヘンに開設する考えだ。

英政府は3月29日、EUに離脱を正式通告した。EU基本条約の第50条では、離脱交渉の期間が原則2年と定められていることから、交渉が順調に進めば2019年3月29日にEUを離れることになる。

マーケルはロンドンの子会社マーケル・インターナショナルを通して幅広い事業を展開している。EUにはひとつの加盟国で事業免許を保持していれば、他の加盟国でも事業を展開できる「パスポート」制度があるため、これまでは同子会社を通してEU事業を展開できた。だが、英国がEUから離脱すると同子会社のEU事業に大きな支障が出る恐れがあることから、マーケルは「ブレグジット交渉の結果がどのようなものになっても(英国を除く)EU27カ国の顧客の保険ニーズに対応できるようにする」ために、ドイツに子会社を設立する。ロンドンからの撤退は考えていない。

ミュンヘンは保険分野の主要都市で、世界的な保険会社であるアリアンツとミュンヘン再保険の本社がある。マーケルは12年、同市に支店を開設した。

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