独自動車工業会(VDA)のマティアス・ヴィスマン会長は23日、連邦教育・研究省(BMBF)主催のカンファレンスで講演し、独自動車業界(サプライヤーを含む)が世界で支出する研究開発費が10年前の2倍の390億ユーロに拡大したことを明らかにした。独経済界全体の研究開発費の約35%を占めるという。
研究開発投資の重点分野としては駆動技術を指摘。電気自動車(EV)などのエレクトロモビリティだけで2020年までに総額400億ユーロを投資する見通しを示した。
これに絡んで、ドイツの完成車メーカーが販売する電気駆動車のモデル数は現在の30から20年には約100に拡大すると明言した。
また、コンサルティング大手のマッキンゼーが発表した最新の電気自動車指標(EVI)に言及。EVとプラグインハイブリッド車(PHV)の16年の世界生産台数(87万台)に占めるドイツの割合は23%で、首位中国の43%を大きく下回ったものの、5年後の生産台数は130万台に達し、中国(同85万台)を抜いてトップに躍り出ると述べた。
独自動車業界はコネクテッドカー、自動運転分野の研究開発にも力を入れており、すでにこれら分野の世界特許の58%を押さえているという。今後3~4年で160億~180億ユーロを投資する見通しだ。