ドイツ連邦カルテル庁は19日、食品スーパー大手のエデカとドラッグストアのローカルチェーンを展開するブドニコフスキーが合弁会社を設立する計画を無条件で承認すると発表した。これにより、エデカはドラッグストア市場に参入することになる。
エデカはドイツ最大の食品スーパー。国内の食品小売市場は大手の寡占が進んでいることから、事業を拡大するためには国外展開か他の分野に進出する必要がある。
ブドニコフスキーは独北部のハンブルクでドラッグストア181店を展開する事業者で、他の地域では事業を行っていない。同地では大きな勢力を持つものの、近年は全国レベルの2大大手であるロスマンとdmの進出攻勢で地域市場シェアが30~35%まで落ち込んでいる。
ブドニコフスキーは調達規模がロスマンなどの全国プレーヤーに比べて小さく、販売価格面で不利な立場に立たされている。エデカと合弁会社を設立するのはこの状況を改善するためで、新会社フォーマット・ウント・サービスを設立してドラッグストア用品の調達、IT、電子商取引、管理、物流をエデカと共同化する。経営の独立は維持する。
同合弁の出資比率はブドニコフスキーが74.9%、エデカが25.1%。エデカは今後、年当たり最大50のドラッグストア店を全国的に開設していく計画で、同合弁への出資比率を最大74.9%まで引き上げるオプション権を持つ。
カルテル庁はエデカとブドニコフスキーの提携により、ドラッグストア市場の競争が活性化すると判断し、両社の合弁計画を無条件で承認した。