製薬・化学大手の独バイエル(レバークーゼン)6日夜、法的に分離した素材子会社コベストロの株式1,725万株を機関投資家に売却し出資比率を従来の53.3%から44.8%へと引き下げた。今後も連結対象とするものの、中期的には資本を全面的に引き上げる考え。
売却価格は同日終値を5.7%下回る1株当たり62.25ユーロで、売却益は10億7,000万ユーロを超えた。バイエルは米農業化学大手モンサントを最大660億ドルで買収する計画のため、財務の強化が大きな課題となっており、売却益を債務の圧縮に充てる意向だ。
バイエルは経営資源を製薬と農業化学分野に絞り込む方針を打ち出し、収益力の低い素材部門をコベストロとして2015年9月に分社化。10月に同子会社の新規株式公開(IPO)を実施した。出資比率を徐々に引き下げており、今年2月にもコベストロ株10.9%を機関投資家に売却した。