フレゼニウス・メディカル・ケア―年コストを2億ユーロ圧縮へ―

総合医療大手フレゼニウスの人工透析子会社フレゼニウス・メディカル・ケア(FMC、バート・ホンブルク)は8日、コスト削減計画を発表した。競争力を強化することが狙いで、2018年から具体策に着手。20年には年間コストを1億~2億ユーロ圧縮する。

売上高については昨年の約162億ユーロから20年に240億ユーロへと伸ばす計画で、年率10%ほどのスピードで拡大していく。中核事業である人工透析の周辺事業(ケアマネジメント事業)を成長のけん引車とする考えで、ケアマネジメント事業で年15%以上の成長を目指す。

FMCは15年、人工透析の周辺事業をケアマネジメントと命名した。人工透析を受ける腎臓病患者は心不全、高血圧など他の病気を併発することが多いため、同社はこれらの患者に包括的な医療サービスを提供していく考えだ。また、腎臓病患者は血液検査を定期的に受ける必要があるため、同検査サービス分野も強化していく。

FMCは人工透析分野ですでに世界最大手となり、買収を通した事業の拡大は独禁法上、限界に達していることから、ケアマネジメント事業を強化している。売上高に占める同事業の割合は昨年16%で、14年の7%から2倍以上に拡大した。

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