独西部と南部地域で送電網事業を展開するアンプリオンは8日、送電網に過度な負担がかかり大規模な停電(ブラックアウト)が起こる恐れが昨年12月から今年2月にかけて、数度あったことを明らかにした。複数のマイナス要因が重なり、ドイツ北部から南部に電力を供給する同社送電網に過度な負担がかかったという。
隣国フランスでは昨冬、原発に使われている部品に欠陥が見つかり、多くの原発が稼働停止に追い込まれた。また、降水量が少なかったスイスとオーストリアでダムの水位が大幅に下がり、水力発電量が減少した。この結果、ドイツの北部地域から南部地域に電力を供給する同社の送電網に過度は負担がかかり、ブラックアウト寸前の状態に数度、陥ったという。
アンプリオンの技術担当役員は南部地域の原発が法律の規定に基づいて今後、廃止されると、ドイツ北部から南部に供給する電力の量が増加すると指摘。南北を結ぶ送電網の早期拡充が必要だと訴えた。