I4.0向けサプライチェーン支援システム、研究プロジェクトが成功

自動車部品大手の独ボッシュは12日、柔軟で安定性のあるサプライチェーンの実現に向けた支援システムの研究プロジェクトが成功裏に終了したと発表した。つながる工場「インダストリー4.0(I4.0)」の実現にはそうしたシステムが必要不可欠と判断して同プロジェクトを実施。輸送効率を引き上げるとともにコスト、二酸化炭素(CO2)排出量を削減するという目標を達成した。

ボッシュを中心とするコンソーシアムは連邦経済省の助成を受けて3年前、「ProveIT」という名の同プロジェクトを開始した。支援システムを構成するのは輸送を計画・制御するプラットフォームとトラック運転手用のアプリ。

プロジェクトではホームブルクにあるボッシュの油圧部品工場をトラックが毎朝7時30分に出発し、60キロ圏内の複数のサプライヤーを訪問。油圧部品の製造に必要な部品を受け取り、ホームブルク工場に戻った。

その際、サプライヤーでの部品受け取りや渋滞などの情報を運転手がアプリでプラットフォームに送信。配車係はこれらの情報をリアルタイムで受け取った。

渋滞に巻き込まれるなど輸送計画に狂いが生じた場合は、最適の打開策をプラットフォームが作り出して配車係に伝えた。在庫状況からみて特定の部品不足が予想される時は、別のトラックをサプライヤーのもとへと向かわせて調達したほうが良いかどうかも判断した。

ProveITにはボッシュのほか、自動車部品のZF、ソフト開発のPTV、LOCOM、物流会社ガイス(Geis)、カールスルーエ工科大学の情報技術研究センター(FZI)とマテハン技術・物流システム研究所(IFL)が参加した。

上部へスクロール