ディーゼル車の市内走行禁止、ミュンヘンも検討

ドイツ南部のミュンヘン市がディーゼル車の市内走行禁止を検討していることが14日、明らかになった。ディーター・ライター市長が『南ドイツ新聞』に明らかにしたもので、市内全域での走行禁止が必要とみている。ドイツでは西南ドイツのシュツットガルト市でもディーゼル車の走行規制が検討されており、減少傾向にあるディーゼル車の販売はさらに落ち込みそうだ。

欧州連合(EU)では大気汚染物質の制限値を設定し、各国当局に順守を義務づけている。だが、ドイツではこれを遵守できない都市が多く、遵守に向けた厳しい対策が避けらない状況だ。ミュンヘンでは窒素酸化物(NOx)の濃度がEUの許容値(年平均で1立法メートル当たり40マイクログラム)を上回っている。

ミュンヘン当局はこれまで、NOxの濃度が許容値を超えているのは市内の一部地域に限られるとみていた。だが最新の調査の結果、幅広い地域で許容値を超えていることが判明。60マイクログラムを超える地域もあることから、市内全域でのディーゼル車走行を禁止することを検討している。最新の排ガス基準であるユーロ6に対応した車両を除くすべてのディーゼル車(ユーロ5以下)を走行禁止の対象とする考えだ。

ミュンヘンで登録されている乗用車は現在72万台で、そのうち29万5,000台をディーゼル車が占める。ユーロ5以下のディーゼル車が走行を禁止されると、13万3,000~17万台が影響を受ける見通し。このほか、ミュンヘン郊外からユーロ5以下のディーゼル車で通勤する人も市内に乗り入れることができなくなる。

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