化学大手の独エボニック(エッセン)は16日、魚の油に多く含まれているオメガ3脂肪酸のエイコサペンタエン酸(EPA)とドコサヘキサエン酸(DHA)を海藻から量産するための施設を米中部ネブラスカ州のブレアに建設すると発表した。蘭同業DSMと折半出資の合弁会社ヴェラマリス(Veramaris)をオランダに設立したうえで、2019年からブレアで生産を開始する。投資額は両社合わせて約2億ドル。当初はサケ養殖用EPA・DHAの世界需要の15%を製造する。
EPAとDHAは人間や家畜、魚の健康維持に欠かせない物質で、現在は魚から生産されている。世界の生産量は年100万トン。生産量をさらに増やすと魚資源が減少する恐れがあることから、需要の拡大に対応するためには魚に代わる原料の供給源開発が必要となっている。
エボニックとDSMは15年、海藻由来のEPA、DHA製品と製造プロセスの開発で合意。米サウスカロライナ州キングスツリーにあるDSMの工場でサケ用製品の少量生産に成功した。量産化により、「魚ベースの資源を投入することなしにサケを養殖するというビジョンを初めて実現する」