ネスレ―米菓子事業から撤退―

スイス食品大手ネスレ(ヴェヴェイ)は15日、成長が鈍化している米国の菓子事業について、撤退を検討していることを明らかにした。健康関連などの有望分野に経営資源を集中する戦略の一環。事業売却も視野に複数の「戦略オプション」を精査し、年内に結論を出す考えだ。

ネスレは米国で「クランチ」「バターフィンガー」「ベビールース」などのブランドを展開している。2016年の売上高は9億スイスフランで、米国事業における売上比率は3%程度。また、世界の菓子事業とグループ全体の売上高に占める割合はそれぞれ10%、1%にとどまる。

ネスレは消費者の嗜好や食習慣の変化に対応するため、高い成長が見込める栄養食品など健康関連分野で積極経営を展開する一方、需要が伸び悩んでいる冷凍食品などの分野で事業売却やブランドの統廃合を進めている。米国の菓子市場ではマース、ハーシー、モンデリーズ・インターナショナルの上位3社が強固な基盤を築いており、業界4位のネスレは5年連続で売上高の伸び率が前年を下回っている。

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