野村HDと大和証Gがフランクに新会社、英国のEU離脱にらみ

野村ホールディングスは27日、ドイツ中部のフランクフルトに新会社を設立し、現地の証券業に関する認可申請を開始したと発表した。英国の欧州連合(EU)離脱(ブレグジット)決定を受けた措置。大和証券グループ本社も同市に現地法人を設立する計画を明らかにしており、日本の2大証券会社はブレグジット後のEU事業拠点としてともに金融都市フランクフルトを選んだことになる。

EUには金融機関が域内に拠点を構えていれば全加盟国で事業を展開できる「パスポート」制度がある。銀行や証券会社の多くはこれを踏まえ、ロンドンの拠点からEU事業を展開してきたが、英国がEUから離脱するとそれができなくなる恐れが高いことから、ロンドンで行ってきた業務の部分移管に向けて準備を進めている。

野村はEU離脱の是非を問う英国の国民投票が実施される前からプロジェクトチームを設置し、ブレグジットによる影響や対応策の検討。顧客への影響を最小限に抑えつつこれまで同様の金融サービスを提供するための施策の一環として、フランクフルトに新会社を設立することを決めた。2019年の英国のEU離脱完了までに、十分なサービスを継続して提供できる体制を整備する。

大和証券グループ本社は22日、フランクフルトに証券現地法人を設立すると発表した。英国の欧州連合(EU)離脱後もEU 関連のサービスを継続して提供するための措置。現地規制当局にライセンス申請を行う。

フランクフルトに配置する新たな人員の数は両社とも明らかにしていない。『フランクフルター・アルゲマイネ』紙が消息筋の情報として報じたところによると、野村は差し当たり100~120人となる見通し。同社の欧州全体の雇用規模は3,000人で、その大半がロンドンで勤務している。

上部へスクロール