がんの薬剤費、4年で41%増加

公的健保組合のBarmer GEKは22日、加入者に処方されている医薬品に関する実態調査レポートを発表した。それによると、がん治療の薬剤費支出は2015年に7億2,310万ユーロとなり、11年に比べて41%増加した。その他の医薬品では増加率が20%にとどまっており、がん治療薬の支出増加幅は突出している。

がん治療を受けた患者数はこの間、2.4%しか増えておらず、従来よりも高額の医薬品の投与が増えたことがうかがわれる。患者1人当たりの費用は6,458ユーロで、38%増加した。

がん治療薬の薬剤費支出を強く押し上げたのは05年以降に認可された新しい製品で、187%増の3億2,790ユーロへと拡大した。05年以前に認可された製品は0.8%減の3億9,520万ユーロとやや低下している。

薬剤費支出の増加幅が最も大きかった製品はロシュの分子標的治療薬(特定の分子を標的として、その機能を制御する医薬品)「ベバシズマブ」で、4,010万ユーロに上った。これにジョンソン・エンド・ジョンソンの「アビラテロン」(2,010万ユーロ)、ブリストル・マイヤーズ スクイブの「パクリタキセル」(1,830万ユーロ)が続いた。

同レポートでは欧州、オーストラリア、二―ジーランドを対象にがん治療薬31種類の薬価も調査。ドイツは28種類で中央値を上回り、8種類では最も高いことを明らかにした。

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