針の代わりにレーザーを用いて血糖値を測定する装置をドイツのスタートアップ企業ダイアモンテック(DiaMonTech)が開発し、経済誌『ビランツ』の起業家大賞を受賞した。来年にも製品を市場投入する見通しで、糖尿病患者の生活の質が大幅に向上すると期待されている。
ダイアモンテックは2015年設立の企業で、社名は糖尿病を意味する「ダイアベティス」に「モニタリング」「テクノロジー」を組み合わせた造語だ。フランクフルト大学のヴェルナー・メンテレ教授が30年に渡って取り組んできた研究成果を実用化する目的で立ち上げられた。会社所在地はベルリン。
同社の製品は針を用いないことから痛みを伴わないうえ、血糖値を99.98%の高い精度で測定できる。現在は靴の包装箱ほどの大きさだが、近い将来にスマートフォンのサイズに小型化。数年後にはスマートブレスレッドに差し込める程度まで縮小する見通しという。
今回の受賞で知名度が高まり、事業の拡大に向けた投資家探しにプラスに働くことを期待している。
ビランツのクラウス・ボルト編集長は23日の授賞式で「ダイアモンテックは十億ユーロ規模の市場を切り開く」と期待感を表明した。