豊胸材スキャンダルで認証機関に賠償責任なし

豊胸材メーカーの仏ポリ・アンプラン・プロテーズ(PIP、現在は倒産)が製造した粗悪な豊胸バッグによって被害を受けたとしてインプラント手術を受けたドイツの女性が同製品の認証を行った独テュフ・ラインランドに4万ユーロ以上の損害賠償の支払いを要求していた係争で、ドイツの最高裁である連邦司法裁判所(BGH)は22日、原告の訴えを棄却する判決を下した。判決理由で裁判官は、テュフが請け負った認証業務はPIPの文書に基づいて品質チェックを行うことであり、製品の検査ではないと指摘。テュフに義務違反はないとの判断を示した。今回の判決により、同様の訴訟をドイツで起こしている他の女性の敗訴も確実となった。

PIPは長年にわたって、自社製品に未認可の工業用シリコンジェルを使用していた。

原告女性はPIP製の豊胸パックを埋め込む手術を2008年に受けたが、10年になって危険なシリコンが使用されていることが仏当局の調査で明らかになったことから、豊胸パックの摘出手術を受けた。当初はPIPに損害賠償を請求したが、PIPが経営破たんしたことから、同製品の認証を行ったテュフに損賠請求を行っていた。

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