ドイツ機械工業連盟(VDMA)は6月29日、独業界の2017年の生産成長率予測を上方修正した。市場が好転しているためで、従来予測の実質1%から同3%へと引き上げた。VDMAのチーフエコノミストは「(業界)企業の景況感は極めて良好だ」と明言した。
VDMAは生産予測を上方修正した理由として(1)ユーロ圏(ドイツを除く)がけん引車となり1~5月の新規受注で従来予想を大幅に上回る伸びを記録した(2)製造業の景況感が良好なことを背景に国内需要が力強く拡大している(3)中国を中心にアジアでの需要が予想を上回るスピードで拡大しており、中国向けの1~4月の機械輸出高は前年同期比で15%増加した――を挙げた。「米国第一」を掲げるトランプ政権や英国の欧州連合(EU)離脱交渉などリスク要因も勘案し、生産成長率予測を実質3%とした。1~4月の実質生産高は前年同期比で2.3%拡大した。
5月の新規受注高は前年同月比で実質23%増と大幅に伸びた。ユーロ圏が34%拡大。ユーロ圏外も20%増となり、今年初めて2ケタ台の伸びを記録した。国内は5%増だった。
大型受注など特殊要因による統計のブレが小さい3カ月単位の比較でみると、3~5月は前年同期を実質4%上回った。ユーロ圏が23%増加、国内も2%伸びた。ユーロ圏外は1%落ち込んだ。