米自動車大手フォードの独法人フォード・ヴェルケ(ケルン)は1日、旧型ディーゼル車の持ち主がフォード車を購入すれば、2,000~8,000ユーロを提供する買い取りキャンペーンを発表した。ドイツでは有害物質の排出量が多い旧型ディーゼル車の走行禁止が議論されていることから、これを自社モデルの販売拡大に活用する考えだ。
対象となるのは欧州排ガス基準「ユーロ1」「ユーロ2」「ユーロ3」対応のディーゼル車で、2006年式以前のモデル。フォード以外のブランドでも買い取る。廃車費用は同社が全額、負担する。
ディーゼル車は人体に有害な窒素酸化物(NOx)の排出量が多く、60以上の都市で濃度の許容上限値を上回っていることから、走行禁止が議論されている。VWやダイムラーなど地場系のメーカーは「ユーロ5」対応ディーゼル車のソフトウエアを自主的に無料交換することでNOx排出量を引き下げ、走行規制を回避する方針を示しているが、ソフトの交換だけでは排ガス削減効果が十分でないとの批判が強い。