ドイツのアレクサンダー・ドブリント交通相は7月27日、自動車大手フォルクスワーゲン(VW)傘下のポルシェに対しSUV「カイエン」のディーゼル車をリコールするよう命じたと発表した。違法なソフトウエアの搭載が確認されたためで、改善策が取られるまで新車登録を認めないことも明らかにした。
リコールの対象となるのは、VW傘下のアウディが供給する、3リットルディーゼルエンジンを搭載する車両。同エンジンは台上試験と路上走行の違いを認識し、台上試験でのみ排ガス浄化システムが働くようにソフトで設定されている。ドイツ国内で7,500台、欧州全域で2万2,000台が該当する。
ポルシェは声明で、不正ソフトの存在を内部調査で突き止め交通省傘下の連邦陸運局(KBA)に自ら通報したとして、排ガス不正問題の解明に積極的に取り組んでいる姿勢を強調した。
ドブリント交通相はカイエンとプラットフォームを共有するVW「トゥアレグ」にも違法ソフト搭載の疑いがあることを指摘した。速やかに調査を完了し、“クロ”と判明した場合はリコールを命じるとしている。