VWがディーゼル車下取りキャンペーン、割引額1万ユーロ超も

自動車大手の独フォルクスワーゲン(VW)は8日、旧型ディーゼル車を下取りに出してVWブランド車を購入する顧客に報奨金を出す割引キャンペーンを開始した。報奨金はディーゼル車とガソリンで2,000~1万ユーロに上り、電気自動車(EV)などの環境対応車ではさらに上乗せされる。旧型ディーゼル車は人体に有害な窒素酸化物(NOx)の排出量が多く、汚染が深刻な都市部での走行を禁止される恐れがあることから、ドイツの自動車各社と外資系企業の一部は下取りサービスを通して買い替えを促進。走行禁止を回避するとともに自社モデルの販売を加速させる考えだ。

VWが買い取りの対象とするのは欧州排ガス基準「ユーロ4」以下のディーゼル車で、ブランドは問わない。キャンペーン期間は年末まで。下取り車両は廃車処分する。

ディーゼル車ないしガソリン車を購入する場合の報奨金は、VWブランドの最小モデルである「アップ」で2,000ユーロ、小型車「ポロ」で3,000ユーロ、コンパクトカー「ゴルフ」で5,000ユーロ、ミニバン「トゥーラン」で6,000ユーロ、中型車「パサート」で8,000ユーロ、クロスオーバーSUV「トゥアレグ」で1万ユーロとなっている。

環境対応車の報奨金上乗せ額は天然ガス車で1,000ユーロ、ハイブリッド車(HV)で1,785ユーロ、EVで2,380ユーロ。EVとプラグインハイブリッド車(PHV)を対象とする国の購入補助金とは別枠で提供することから、旧型ディーゼル車を下取りに出してゴルフのEVモデルを購入すると、割引額は計1万1,760ユーロに達する。

同様の下取りキャンペーンはBMW、ダイムラー、アウディ、ポルシェ、シュコダ、オペル、フォード、トヨタも実施している。ドブリント交通相は同日、こうした措置を打ち出していない外資メーカーに対し追従を呼びかけた。

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