ドイツで商工業を営む企業や個人は地元の商工会議所(IHK)に加入しなければならない。これは商工会議所法(IHKG)に定められた決まりであり、会員は一部の例外を除いて会費納入も義務づけられている。IHKの恩恵を直接的に感じることは少ないことから、これらの義務を不当と感じる企業は多いが、会員・会費義務を回避することはできない。そんな判断を連邦憲法裁判所(BVerfG)が7月12日の決定(訴訟番号:1 BvR 2222/12および1 BvR 1106/13)で示したので、ここで取り上げてみる。
裁判はヘッセン州とバイエルン州の会員がそれぞれ起こしたもの。両会員はIHKの会員・会費義務は基本法(憲法)9条1項で保障された結社の自由と同2条1項で保障された「人格を自由に展開する権利」の侵害に当たるとして、両義務の無効確認を求める裁判を起こした。
BVerfGは今回の決定で、訴えを退けた。決定理由で裁判官は、IHKはそれぞれの地区の全会員の利害をまとめ上げており、会員・会費義務は甘受できるものだとの判断を示した。