企業景況感がやや悪化、4カ月連続の記録更新ならず

Ifo経済研究所が25日発表した8月のドイツ企業景況感指数(2005年=100)は115.9となり、前月を0.1ポイント下回った。前月までは3カ月連続で過去最高を更新していたが、8月は現状判断が悪化し全体がやや押し下げられた格好だ。景況感指数の水準自体は高く、今後6カ月の見通しを示す期待指数も良好なことから、Ifoのクレメンス・フュスト所長は「ドイツ経済は依然として成長軌道に乗っている」との見方を示した。

現状判断指数は前月の125.5から124.6へと0.9ポイント落ち込んだ。同指数の低下は12カ月ぶり。卸売と小売で大きく悪化したことが響いた。

期待指数は0.6ポイント増の107.9へと上昇した。小売りを除く3部門で改善した。

部門別でみると、製造業の景況感指数は過去最高となった前月をやや上回った。現状判断はやや悪化したものの、期待指数がこれまでに引き続き良好だった。大規模なカルテル疑惑とディーゼル車排ガス問題に揺れる自動車業界でも景況感は底堅いという。

建設業の景況感指数も過去最高を記録した。現状判断が大幅に改善。期待指数も上昇した。

小売業では景況感指数が大きく低下した。現状判断が特に振るわなかった。期待指数は自動車販売店が足を強く引っ張ったことから落ち込んだ。ディーゼル車の走行禁止懸念が響いている。

卸売業は現状判断が大幅悪化、期待指数がやや改善で、景況感指数はやや落ち込んだ。

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