メルク―エボラワクチン生産を独で準備―

製薬大手の米メルクがエボラ出血熱のワクチン量産に向けて準備を進めている。同ワクチンは当局の認可をまだ受けていないものの、近い将来に承認されるのは確実であることから、独北部のブルクヴェーデルに生産施設を建設。このほど独グレーエ保健相の訪問を受けた。

エボラ出血熱は致死率の高い急性ウイルス性感染症で、2014年に西アフリカで大流行した際は2万9,000人が感染し、1万1,000人が死亡した。

メルクはカナダ政府が開発したエボラワクチン「rVSV-ZEBOV」の研究開発・製造・販売権を2014年11月に取得。16年初頭には貧困国へのワクチン供与を行う「ワクチンと予防接種のための世界同盟(GAVI)」から500万ドルの資金提供を受け、さらなる開発を行った。

今年4月にコンゴで発生した流行に際しては、感染者に接触した人に対し同ワクチンの接種が行われ、そのほとんどは発症しなかった。

メルクは当局の承認を時間の問題とみており、メルク独法人MSDドイチュラントのワクチン部門統括責任者は『フランクフルター・アルゲマイネ』紙に、来年初頭にも出荷できる見通しを明らかにした。年100万~150万本を生産する計画だ。

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