独化学工業会(VCI)は25日、独フランクフルトとスイスのバーゼルを結ぶ幹線鉄道の一部区間が長期通行止めとなっていることはドイツの化学メーカーの大きな負担になっているとの声明を発表した。当該区間を利用して輸送されてきた原料・化学製品の半分は他の鉄道路線を使って輸送できるものの、残り半分はトラックや河川輸送に切り替えなければならないと指摘。輸送の需給がひっ迫しているため運送料が大幅に上昇しているとして、ドイツ鉄道(DB)に改善策を促した。
カールスルーエ南部のラシュタット市で行っていたトンネル工事が原因となり、12日に地盤沈下が発生し、通行できなくなった。復旧は10月7日の見通しで、約2カ月間、通行できない。
同区間はオランダとイタリアを結ぶ貨物列車の主要ルートに当たり、貨物列車の通行量は1日当たり約200本に達する。事故後は周辺国を含む迂回ルートが利用されているものの、キャパシティに限界があるため、鉄道貨物の利用企業は苦慮している。
ドイツの鉄道貨物輸送量は昨年、3億6,350万トンに上った。化学製品はそのうち約2,800万トンで、シェアは8%弱に上る。