バイエルのモンサント買収、欧州委が本格調査

欧州連合(EU)の欧州委員会は22日、独製薬・化学大手のバイエルが農業化学大手の米モンサントを買収する計画について、本格的な調査を開始したと発表した。競争上の問題のついて詳細な調査を行い、買収を承認するかどうかを2018年1月8日までに判断する。

バイエルは昨年9月、モンサントを最大660億ドルで買収することで合意した。これによって同社の農業化学部門クロップサイエンスの売上高は2倍に拡大し、同分野で圧倒的な首位となる。

欧州委は初期調査で、農薬、野菜の種子などの分野で両社が大きなシェアを持つことから、買収によって競争が阻害される恐れがあると判断。とくに雑草に効力があり、作物には影響を及ぼさない選択性除草剤で、モンサントのグリホサート除草剤が欧州で最も利用されており、バイエルのグルホシネート除草剤が数少ない代替除草剤であることなどを問題視している。

バイエルは7月、競争上の是正策を提案したものの、欧州委は同措置では競争上の懸念を払しょくするには不十分として承認を見送り、本格的な調査に踏み切った。

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