電機大手の独シーメンス(ミュンヘン)は8月30日、シミュレーションソフトの有力企業である蘭TASSインターナショナルを完全買収すると発表した。自動車産業向けの製品ライフサイクル管理(PLM)ソフト事業を強化する狙い。シーメンスは今回の買収により、自動運転車の設計の検証と妥当性確認を迅速に行うための総合的なソリューションを提供できるようになる。買収金額は非公開。9月初旬の買収手続き完了を見込む。
TASSは自動車産業向けに自動運転、総合安全、高度運転アシストシステム用のシミュレーションソフトを開発。予防安全ソフト「PreScan」では複雑な交通状況のシミュレーションと自動運転・運転アシストシステム用ソリューションの妥当性確認を行うことができる。また、乗員保護ソフト「Madymo」では交通事故が人体にもたらす影響をシミュレーションできる。同社はオランダ南部のヘルモントに本社を置く企業で、従業員数は約200人。売上高はおよそ2,700万ユーロに上る。