自動運転車の判断能力向上へ、ZFがカリフォルニア大と研究提携

自動車部品大手の独ZFフリードリヒスハーフェンは8月31日、カリフォルニア大学と戦略研究提携すると発表した。コンピューターに取り入れた生の画像を処理して必要な画像情報を取り出す技術であるコンピュータービジョンと、学習する事柄をシステムが自ら見出して動作する深層学習を自動運転の分野で利用できるようにし、自動運転車の事故防止機能を大幅に改善。普及の前提を作り出す考えだ。

人が自動車を運転する場合は、前方の車両が追い越し車線に入ろうとしているのか、あるいは歩行者が車道を渡ろうとしているのかといった交通参加者の意図を明確な意思表示がなくても直観的に把握し、適切に対応する。

ZFとカリフォルニア大の研究者はこうした能力を自動運転車のシステムが持てるようにするために今回の研究提携を締結した。コンピュータービジョンは近年、多くの産業分野で活用されているものの、自動車分野ではまだ活かされていない。

自動運転車の状況判断能力向上に向けてはこれまで、一般的なテスト走行を通してシステムに学習させるという手法が取られてきた。だが、こうした手法ではたとえ何百万キロメートルを走行してもあらゆるリスク状況に適切に対処できるようにはならないことから、深層学習を通してアルゴリズムの最適化を目指す。その際、車両に搭載された個々のシステムの学習をクラウドで蓄積してアルゴリズムの最適化を加速。全ての車両が最適なアルゴリズムを共有できるようにする。これにより開発のスピードが速まることも期待できる。

カリフォルニア大学はコンピュータービジョンと深層学習分野で優れた研究者を多く抱えることから、ZFは同大との提携を決めた。

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