機械業界専門のIoTプラットフォーム立ち上げ

塗装設備大手のデュルやIT大手のソフトウエアAGなどドイツを中心とする5社は5日、機械メーカーを対象とする産業IoT(IIoT)用プラットフォーム「ADAMOS」を立ち上げると発表した。シーメンス、SAP、ゼネラル・エレクトリック(GE)といったIIoTプラットフォーム大手に機械メーカーが依存せずに済むようにすることが狙い。ADAMOSを10月1日から全世界で利用できるようにする。

デュルとソフトウエアAG、DMG MORI(森精機傘下の工作機械メーカー)、ツァイス(光学機器)の独4社と香港企業ASM PT(半導体製造装置)はADAMOS事業の展開に向けて同名の合弁会社をダルムシュタットに設立した。今後は他の企業にも参加を促していく。

シーメンスやSAPといった既存のIIoTプラットフォーム事業者は様々なソフトやサービスを通して顧客を獲得している。ただ、これらの事業者にIIoT 用ソフトの開発を依頼すると、依存から抜け出しにくくなることから、5社はそうした懸念のないプラットフォームとしてADAMOSを立ち上げる。

ADAMOSでは参加企業が持つノウハウや専門知識を活用して各社のニーズに見合ったソフトを開発する。このため外部のソフト会社への依存が発生せず、機械メーカーはアプリを自社ブランドで顧客に提供できる。ソフト開発を共同化することは開発時間の短縮とコストの圧縮にもつながる。

GMG MORIのクリスティアン・テーネス社長はIT分野のパートナーにソフトウエアAGを選んだ理由を、ソフトウエアAGは他のIT大手と違って機械メーカーの顧客企業にアクセスしないことを確約したためだと説明した。ADAMOSに参加する機械メーカーの顧客は自らのIIoTデータの取り扱いを自主的に決定できるという。

上部へスクロール