細菌を用いて廃家電から金や銀などの貴金属を効率よく取り出す技術を、バイオ企業の独ブレインが開発した。今後はライセンス供与と自らリサイクリングした貴金属の販売を通して利益を稼ぐ考えだ。『フランクフルター・アルゲマイネ』紙が8月30日付で報じた。
同社が開発したリサイクル技術は破砕した廃家電と焼却炉の灰を水に浸したうえで、独自開発した細菌を混ぜるというもの。細菌は液体中の金・銀粒子を文字通り背負うような恰好で集めて液体の表面に泡状の層を作り出すことから、これを熱で処理して乾燥させるとともに殺菌する。この結果、金、銀、プラチナ、パラジウムを取り出せる。テスト機では廃家電中の貴金属を90~100%リサイクルできたという。
9月からは大型装置を稼働させる予定で、最大で年6トンの貴金属をリサイクリングする計画だ。家電には多くの貴金属が使われており、廃家電に含まれる量はドイツだけでも年180万トンに達することから、同社はライセンス需要も大きいとみている。