「外国メーカーもディーゼル車修理を」=独首相

ドイツのアンゲラ・メルケル首相は14日、フランクフルト国際モーターショー(IAA)の開幕式で講演し、ディーゼル車の窒素酸化物(NOx)排出削減に向けて自主的な修理を行うよう国外メーカーに促した。国内メーカーはすでにソフトウエアの入れ替えを通したNOxの排出削減やNOx濃度低減基金への資金拠出を確約しており、大気汚染が深刻な自治体などからは外国メーカーもNOx濃度低減に貢献すべきだとの声が出ている。

メルケル首相はまた、自動車メーカーが法律の盲点を突いてディーゼル車のNOx排出値を実際の路上走行よりも大幅に低く見せかけていた問題に言及。「そうしたことを行ったのがたとえ少数派であったとしても、自動車業界は失われた信頼を早期に取り戻さなければならない」と強調した。

有害物質や温暖化ガスを排出するディーゼル車やガソリン車については、今後数十年間は必要不可欠だとの認識を示し、エンジン車の早期禁止を求める緑の党などの要求を退けた。

一方、アレクサンダー・ドブリント交通相は「欧州は自動運転で世界のトップに立たなければならない」と述べ、欧州連合(EU)レベルで早期に法制化や標準制定に取り組む必要性を訴えた。同相はIAA会場で14日から2日間、EU代表、EU加盟国の交通相、自動車大手の社長と自動運転をめぐって協議した。

ドイツ政府は8月下旬の閣議で、自動運転の実現に向けた実行計画を了承した。同計画のなかで法整備や国際標準の確立に取り組んでいく方針を打ち出している。

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