工作機械大手の独トルンプ(ディッチンゲン)は12日、技術センター「トルンプ・スマート・ファクトリー」を米シカゴに開設したと発表した。米国市場の開拓を強化することが狙いで、つながる工場「インダストリー4.0(I4.0)」のソリューションを導入する顧客にコンサルティングと研修サービスを実施する。
総額2,600万ユーロを投じて同センターを設置した。面積5,500平方メートルの建造物に1,300万ユーロ、設備に同じく1,300万ユーロを投資した。
目玉となるのは顧客企業の従業員にコンサルティングとトレーニングを施す目的で設置したデモ工場だ。同工場では板金(シートメタル)の加工から出荷までの流れがデジタル技術でネットワーク化されている。二コラ・ライビンガーカムミュラー最高経営責任者(CEO)は「インダストリー4.0のキーワードのもと、生産のネットワーク化を顧客とともに推し進めていく」考えを明らかにした。
シカゴは板金加工産業の中心地であることから白羽の矢を立てた。
トルンプの2017年6月通期の米国売上高は前期比14%増の4億2,100万ユーロへと拡大し、同国はドイツに次いで2番目に大きな市場となった。