化学大手の独BASFは9月27日、オーストリア東南部のピシェルスドルフにある製紙分散剤工場を英特殊化学大手シントマーの現地子会社に売却することで合意したと発表した。厳しい市場環境を踏まえた措置で、今後は欧州の製紙分散剤生産拠点を本社所在地の独ルートヴィヒスハーフェンとフィンランド南部のハミナに集約する。
ピシェルスドルフ工場を3,000万ユーロで売却する。独禁当局の審査を経て売却手続きが来年1月末までに完了すると見込んでいる。従業員42人がシントマーの墺法人に移籍する。
ピシェルスドルフ工場ではスチレンブタジエンを原料とする分散剤とアクリルスチレンを原料とする分散剤を生産している。シントマーに譲渡するのスチレンブタジエン分散剤の生産事業で、アクリルスチレン生産事業はルートヴィヒスハーフェン工場に移管する。
分散剤は印刷の質を向上させる目的で添加剤、顔料とともに紙に塗布される。