ドイツのフィンテック業界が急速に成長しているもようだ。コンサルティング大手アーンスト・アンド・ヤング(EY)の調べによると、今年上半期のベンチャー資本調達額は計3億690万ユーロに上った。昨年通期の3億9,890万ユーロを下回るものの、EYは年末までに6億1,380万ユーロに達するとみており、54%拡大する見通しだ(下のグラフ参照)。
フィンテックの企業数は6月末時点で295社に達し、昨年末から15社増加した。企業数を都市別でみるとベルリンが最も多く80社に上った。これにフランクフルトを中心とするラインマイン地区(72社)、ミュンヘン(45社)、ハンブルク(24社)、ケルン(13社)が続く。
フランクフルトはドイツ最大の金融都市であるものの、フィンテックに関してはベルリンにやや遅れをとっている。コメルツ銀行のベンチャーファンドであるコメルツヴェンチャーズの責任者が『フランクフルター・アルゲマイネ』紙に語ったところによると、ベルリンはスタートアップ企業が集積していることから、ベンチャーキャピタルが同地に特に力を入れているという事情が有利に働いているという。
ただ、英国の欧州連合(EU)離脱を受けてフランクフルトの金融競争力が高まると予想されることから、ラインマイン地区がベルリンから首位の座を奪う可能性は十分にある。