国境審査を6カ月延長

ドイツのトーマス・デメジエール内相は12日、オーストリアとの国境で実施している入国審査を6カ月延長することを明らかにした。テロのリスクが依然として高く、難民の違法流入の動きも止まらないためで、11月11日までとしていた期限を来年5月まで延長する。また、ギリシャから旅客機を利用して不法入国する移民が増えていることから、これに対する国境審査も継続する。

人の自由移動を定めたシェンゲン協定の圏内では、2015年11月にパリで起きたテロ事件をきっかけに、ドイツ、フランス、オーストリア、デンマーク、スウェーデンと、EU非加盟国のノルウェーが相次いで国境での入国審査を復活させた。同協定の第26条は、治安などに深刻な脅威がある「例外的な状況」に限り、加盟国が原則6カ月の期限付きで国境審査を再導入し、改善がみられなければ最長2年まで継続することを認めている。

11月11日で2年の期限を迎えるものの、デメジエール内相は「状況は依然として緊迫している」と述べ、国境審査の延長は必要不可欠との認識を示した。

今回の延長措置はオーストリア、デンマーク、スウェーデン、ノルウェーの内務省と緊密に協議して決定したもので、欧州委員会と他の加盟国にもすでに通告済み。欧州委は国境審査の期間を最大2年とする現行ルールを見直し、さらに2年間の延長を認める方向で検討していることを9月中旬に明らかにした。

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