自動車部品大手の独マーレ(シュツットガルト)は10日、電気自動車(EV)と自動運転車(AV)に適した冷暖房技術の開発で協業すると発表した。協業によって開発を加速し、競合に先駆けて新製品を市場投入する考えだ。
EVは充電一回当たりの航続距離が短いことがネックとなっている。このため車載電子機器の消費電力を可能な限り少なくする技術は大きな意味を持つ。
また、AVの究極とも言うべきロボットカーではハンドルが存在しないなど、車内空間のあり方が大きく変化する。このため従来型の冷暖房方式では適切な効果を発揮できない恐れがある。
両社はこうした問題に対応するために手を組んだ。フォルシアは内装のトータルシステムインテグレーターとしてのノウハウ、マーレは快適性とエネルギー効率分野のノウハウをそれぞれ持ち寄る。すでに空気の分散、EV用エアコンの統合ソリューション、パーソナライズされた熱管理の分野で共同開発に取り組むことを取り決めている。
フォルシアは自動運転車用の内装・安全技術の開発で独同業ZFフリードリヒスハーフェンと5月に戦略協業した。ドライバーが読書やゲームなど運転以外の事柄を行える高度なAVでは内装のあり方が従来型の車両から大きく変化する見通しのため、それに見合った安全技術を開発していく。
