ゼネラル・エレクトリック―独R&D拠点閉鎖へ―

電機大手の米ゼネラル・エレクトリック(GE)がミュンヘン近郊ガールヒングの拠点内にある研究開発(R&D)施設を閉鎖する。業績不振を受けてコスト削減圧力が高まっているためで、同社は上海とリオデジャネイロのR&D拠点も廃止。R&D拠点を米北東部ニスカユナと印南部バンガロールの計2カ所へと集約する。広報担当者の確認を得た情報として20日付『フランクフルター・アルゲマイネ』紙が報じた。

ガールヒングの研究開発拠点は2003年に開設された。現在は外部の人材も含めて250人が勤務。タービンなど大型機械の流体力学、大型エンジン・機械のパワーエレクトロニクス、医療機器、工場オートメーションの4分野に重点を置いて研究開発を進めている。

仏アルストムの重電部門買収で欧州事業の重要性が高まったほか、製造業のデジタル化(インダストリー4.0)でドイツが中核市場となることから、GEの欧州技術事業を統括するカルロス・ヘルテル氏は昨年『ハンデルスブラット』紙に、同拠点の拡大方針を明らかにしていた。

ミュンヘンは競合シーメンスの本社所在地であることから、ガールヒングのR&D拠点は欧州での存在感をアピールする象徴的な意味も持っていた。それにも関わらず閉鎖するのは業績不振で株価が下がり、投資家からのコスト削減圧力が強まっているためだ。年初以降の株価の下落幅は25%を超えており、8月に就任したジョン・フラナリー最高経営責任者(CEO)はすべての事業活動を聖域なしに見直す意向を表明した。

ガールヒングで展開するR&D以外の活動は維持する。また、同拠点に1,500万ユーロを投資し、3Dプリンター事業拠点を開設する計画だ。

GEの独従業員数は約1万人。ガールヒング以外にもベルリン(エネルギー技術)、ザルツベルゲン(風力発電設備)、ゾーリンゲン(医療機器)、マンハイム(エネルギー)に拠点がある。

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