アイクストロン―米国事業の部分売却を当局が承認―

半導体製造装置の有力メーカーである独アイクストロンSE(ヘルツォーゲンラート)は24日、米子会社(アイクストロンInc)がメモリーチップ製造装置事業を韓国同業ユージーン・テクノロジーズ(Eugene Technology)に売却する計画を米国の対米外国投資委員会(CFIUS)が無条件で承認したと発表した。5月のプレスリリースによると、取引金額は4,500万~5,500万ドルとなる見通し。在庫など取引対象の資産の時価を譲渡時に確定して最終的な取引価格を決定する。年内の売却手続き完了を見込む。

ユージーンに譲渡するのは、化学蒸着(CVD)と原子層堆積(ALD)という薄膜形成技術を用いたメモリー製造装置事業。アイクストロンは昨年、中国の投資会社・福建芯片投資基金(FGC)に身売りすることで合意したものの、CFIUSの勧告を受けてオバマ大統領(当時)が拒否権を行使したことから断念した経緯がある。同社はその後、経営資源を販売・サービスのほか、ディスプレーを特殊な膜で覆うことで劣化を防ぐ薄膜封止(TFE)分野に絞り込む方針を打ち出し、ユージーンへの事業売却を取り決めた。

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