自動車の低故障率で独ブランドの優勢強まる

テュフ・ズードなどドイツの技術監査協会が加盟する業界団体VdTUEVが発表した自動車の故障に関する最新レポート(TUEV-Report 2018)によると、2016年7月~17年6月の1年間に行われた車検で重大な故障が見つかった車両の割合は19.9%で、前年から0.2ポイント上昇した。低故障率のトップ10をブランド別でみると、ドイツ車の数が増加。「壊れにくい車」としてこれまで定評の高かった日本車の数は近年、減少傾向にある。

車齢3年以下の部門で重大な故障率が最も低かったのはメルセデス「SLK」で、2.0%にとどまった。トップ10に入った12モデル(8位が5モデル)のうちのうち10モデルをドイツ車が占めており、同国メーカーの品質競争力は高まっているもようだ。トップ10入りを果たした日本車は「マツダ2」(5位)だけだった。

数年前のデータと比較すると、日本車が低故障率ランキングで順位を落としていることが鮮明になる。11年6月~12年7月の統計では車齢2~3年のトップ10に入った日本車は6モデルで、ドイツ車の4モデルを上回っていた。

同じことは車齢の高いモデルにも当てはまる。同4~5年のトップ10に入った日本車は11年6月~12年7月の4モデルに対し今回は1モデルにとどまった。6~7年ではそれぞれ7モデル、2モデル、8~9年では8モデル、3モデルとなっている。

唯一10~11年では日本車がともに6モデルと多く、ドイツ車の各4モデルを上回った。ただ、この部門の車両は10年以上前に製造されたものであり、各メーカーの現在の品質力を反映していない。

トップ10入りする日本車が大幅に減った最大の理由は、トヨタ車が全般的にランクダウンしたことにある。11年6月~12年7月には車齢3年未満のトップ10のうちトヨタ車が4モデルを占め、4~5年と6~7年でもそれぞれ3モデル、5モデルと多かった。今回の統計では7年未満の3部門でトヨタ車はトップ10に1台も入っていない。

車齢3年以下の部門を車両クラス別でみると、超小型車ではオペル「アダム」(故障率3.8%)が1位につけた。小型車ではマツダ2(同2.7%)、コンパクトカーではメルセデス「Aクラス」(3.3%)がトップを獲得している。マツダ車は車齢8~9年の部門を除いてすべてトップ10入りを果たしている。

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