自動車大手の独BMWは24日、本社所在地ミュンヘンで電池セル研究センターの起工式を行った。セルに関する包括的な知識を獲得することで、セルのサプライヤーに対し仕様などを詳細に指示できるようにする狙い。現時点でセルを内製化する計画はないとしている。
同センターに今後4年で2億ユーロを投資する。開設は2019年初頭の予定。BMWが持つセル分野の経営資源を統合するとともに、専門人材を現在の50人から200人へと拡大する。
同センターではセルの素材やデザイン、バッテリーシステムへの統合、生産技術、パフォーマンス、寿命、安全性、充電、コストなど幅広い分野で研究を実施。プロトタイプの生産も行う。
こうした成果をセルのサプライヤーとの交渉に反映させ、最適のセルを調達できるようにする。セル分野のペーター・ランプ技術主任はdpa通信に「我々自らが化学メーカーになる必要はないが、化学を理解することは必要だ」と発言。オリファー・ツィプセ取締役(生産担当)は「プロトタイプを生産することでセルをより良く理解しサプライヤーと対等の立場で協働できるようになる」と意図を語った。
同社は現在、セルをサムスンと中国メーカー1社から調達している。