バイエル―「新薬パイプラインに問題なし」―

独ライフライセンス大手バイエル(レバークーゼン)のディーター・ヴァイナント取締役(新薬事業担当)はロイター通信のインタビューで「パイプラインに問題はない」と述べ、売上高が最も大きい製品である「イグザレルト」の特許が切れても業績は悪化しないとの見方を示した。同薬の特許失効の穴を埋める新薬候補がないとするアナリストの先行き懸念を踏まえた発言で、新薬の臨床試験プロジェクトが50以上あることを強調した。

イグザレルトは経口抗凝固薬。2016年の売上高は29億ユーロ強で、新薬部門全体の約18%を占めた。適用対象の治療分野が増加し、ピーク時の売上高は50億ユーロを超えると目されている。

ただ、主要市場の米国で2024年に特許が切れることから、それを見据えて新たなヒット商品の確保が課題となっている。ヴァイナント取締役は将来性の高い新薬候補が複数あることを指摘。これら製品の合計の売上高は少なくとも60億ユーロに達するとの見方を示した。