三菱製鋼は8日、ドイツのばねメーカー、ゲブリューダー・アーレの完全買収を同日の取締役会で決議したと発表した。自動車サスペンション用ばね(巻ばね・スタビライザー)事業のグローバル化方針に基づく措置。同買収により欧州進出を果たすとともに、既存拠点とのシナジー効果を引き出し拡販につなげていく。今月下旬に買収契約を締結し、来年2月に買収手続きを完了させる予定だ。買収金額は明らかにしていない。
ゲブリューダー・アーレは独西部のリントナーに本社を置く企業で、自動車などに使われる巻ばねの設計、製造、販売を手がけている。2016年の売上高は2,400万ユーロ(約32億円)。三菱製鋼による買収後は社名をMSSCアーレ・ドイチュラントへと改める。
三菱製鋼は2016年中期経営計画のなかで、自動車サスペンション用ばねのグローバルサプライヤーとなる方針を打ち出した。すでにメキシコ進出、中国スタビライザー事業の立ち上げを果たしている。日本、米国、カナダ、インドにも事業拠点があることから、今回の買収によりアジア、北米、欧州にまたがる事業網が構築されることになる。