IT大手の米IBMは14日、量子コンピューターの分野で自動車大手の独ダイムラーと協業すると発表した。IBMは同コンピューターの実用化に向け大学や企業と協業しており、その一環として自動車分野での利用の可能性をダイムラーと共同で模索していく。
量子コンピューターは量子力学の原理を情報処理に応用したコンピューター。特定の複雑な課題を従来型のスーパーコンピューターよりも大幅に早く処理できることから、幅広い分野での実用化に期待がかけられている。
IBMは金融、化学、自動車など様々な分野でこれまで解決できなかった問題を、量子コンピューターを用いて解決することを目指しており、すでにバークレイズ、JPモルガン・チェース、日立金属、ホンダ、JSR、長瀬産業、サムスン、米オークリッジ国立研究所、オクスフォード大学、慶応大学、メルボルン大学をパートナーとして獲得している。
ダイムラーとは新たな車両用素材の開発、製造工程や自動運転車の改善などに取り組む。ダイムラーのオーラ・ケレンユス取締役(乗用車研究開発担当)は「量子コンピューターは持続可能で極めて効率的なモビリティの実現で重要な役割を果たす」と期待感を示した。