ドイツテレコム―光通信で合弁―

電気通信大手のドイツテレコム(ボン)は13日、光ファイバー通信網の構築で独北西部のエネルギー事業者EWEと協業することで基本合意したと発表した。ドイツの通信網は旧式の銅回線が中心で、通信速度が全般的に遅いことから、同社は提携を通しての高速の光通信を普及させる考えだ。監督官庁の連邦ネットワーク庁が規制緩和に応じることを条件に光通信網を構築する。

両社は折半出資の合弁会社を来年半ばに設立し、ニーダーザクセン、ノルトライン・ヴェストファーレン、ブレーメンの北西部3州に光通信網を敷設する。投資額は10年間で最大20億ユーロ。主に人口希薄地域を対象とする考えで、100万以上の世帯が光通信を利用できるようにする。ネットワークとユーザー宅を結ぶ回線の末端「ラストマイル」も手がける計画のため、光回線は一般世帯も含める形で設置される。

ドイツテレコムは自社の通信網を競合に貸与することを義務づけられている。その際の料金は連邦ネットワーク庁が決定する。

ドイツテレコムはこれに不満を持っており、EWEとの合弁は同規制が廃止されなければ設立しない意向を明確に示した。料金が規制でなく市場原理に基づいて決められるようになれば、北西部以外の地域でも同様の合弁を設立し、光通信網を全国的に構築していく考えだ。

EWEとの合弁事業は一般世帯を対象としたもので、企業向けサービスはドイツテレコムとEWEがそれぞれ別個に展開する。EWEは主力の電力・天然ガス事業に加え、数年前から光通信事業も行っている。

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