ドイツ連邦陸運局(KBA)が4日発表した2017年の乗用車新車登録台数は前年比2.7%増の344万1,262台となり、景気対策で新車購入補助金が交付された09年(380万7,175台)以来の高水準を記録した。増加は4年連続。雇用の安定と所得の拡大のほか、ディーゼル車の下取りキャンペーンが奏功した格好だ。12月単月の新車登録台数は25万3,950台で、前年同月を16.1%下回った。比較対象の16年12月に比べ営業日数が2日少なかったことが響いた。
17年の新車に占めるガソリン車の割合は57.7%で、前年の52.1%から5.6ポイントも上昇した。ディーゼル車の不振が追い風となった格好。ディーゼル車は市内乗り入れ規制論議が響いて45.9%から38.8%へと7.1ポイント低下した。その他の車両は計3.5%で前年の2.0%から拡大。電気自動車(EV)は環境対応車を対象とする購入補助金制度の効果で119.6%増の2万5,056台となり、シェアは0.7%に上った。ハイブリッド車は登録台数が76.4%増の8万4,675台、シェアが2.5%で、補助金が支給されるプラグインハイブリッド車は114.2%増の2万9,436台だった。
新車の走行1キロメートル当たりの二酸化炭素(CO2)排出量は平均127.9グラムで、前年の127.4グラムから0.4%増加した。排気量の大きいSUVが22.5%増と急速に伸びたことが反映された格好だ。
車種別のシェアはコンパクトクラスが23.3%(前年25.2%)で、これまでに引き続き最も大きかった。2位は12.7%から15.2%へと伸びたSUVで、前年の4位から大きく上昇。3位の小型車は14.5%(同14.5%)、4位の中型車は11.9%(12.8%)だった。SUV以外では中大型車(17.7%増)とキャンピングカー(15.5%増)の伸びが大きかった。
新車のカラーでシェアが最も大きかったのはグレーで、28.5%(前年28.1%)に上った。2位はブラックで25.6%(同27.4%)。近年人気が高まっているホワイトは20.9%(20.1%)に上った。
ブランド別でみて伸び率が最も大きかったのはEV専門のテスラで、前年比74.6%増の3,332台に拡大した。これにアルファロメオ(42.0%増の6,096台)、ダチア(27.6%増の6万2,678台)、プジョー(25.0%増の7万930台)、レクサス(22.2%増の3,002台)が続いた。
ドイツ車で前年を上回ったのはミニ(6.1%増の4万6,706台)、メルセデス(4.8%増の32万6,188台)、フォード(2.8%増の24万6,589台)の3ブランドにとどまった。その他のブランドはオペルが横ばいの24万3,715台、BMWが0.1%減の26万1,864台、スマートが1.5%減の3万6,723台、アウディが2.2%減の28万3,196台、ポルシェが3.1%減の2万9,276台、VWが3.3%減の63万4,270台だった。
レクサス以外の日本車ではスズキ(21.7%増の3万8,165台)、三菱(16.5%増の4万3,367台)、トヨタ(13.0%増の8万1,086台)が2ケタ増を記録。スバル(6.9%増の7,440台)とマツダ(6.2%増の6万7,262台)も前年実績を上回った。日産(6.2%減の6万8,019台)、ホンダ(20.3%減の2万199台)は減少した。
日本車以外の主な輸入ブランドではセアト(10.9%増の10万8,203台)、フィアット(9.0%増の8万4,324台)、シトロエン(8.3%増の5万2,760台)、ルノー(8.1%増の13万5,456台)、起亜(5.9%増の6万4,068台)、シュコダ(4.3%増の19万4,230台)、ランドローバー(3.8%増の2万3,656台)、ジャガー(3.1%増の8,987台)、ボルボ(2.3%増の4万857台)、現代(1.2%増の10万8,518台)が増加。双竜(4.9%減の3,232台)、ジープ(9.4%減の1万3,390台)、DS(24.4%減の3,309台)は落ち込んだ。
ブランド別の市場シェアではVWがこれまで同様ダントツの1位で18.4%(前年19.6%)に上った。輸入ブランドではシュコダの5.6%(同5.6%)が最大。日本車1位はトヨタで、2.4%だった。
一方、独自動車工業会(VDA)が同日発表した17年の国内乗用車生産台数は564万7,100台で、前年を2%下回った。輸出台数は1%減の437万3,500台。12月は生産台数が前年同月比2%減の36万1,700台、輸出台数が横ばいの30万5,700台だった。