企業向けソフト大手の独SAP(ヴァルドルフ)は30日、顧客関係管理(CRM)ソフトの米カリダス・ソフトウエアを買収することで合意したと発表した。SAPはクラウド事業の強化に取り組んでおり、昨年9月にも消費者ID管理・アクセス制御(CIMA)ソフト最大手の米ギギャを傘下に収めた。
カリダスを株式公開買い付け(TOB)で買収する。買い付け価格は1株当たり36ドルで、過去3カ月の加重平均株価を28%上回る水準。カリダスを約24億ドルと評価したことになる。SAPは独禁当局などの審査を経て買収手続きが4-6月期に完了すると見込んでいる。
カリダスは販売の成功度を測る販売実績管理(SPM)ソフトや製品のオプションを入力すると価格を計算し見積もりをつくるCPQソフトなどをパッケージ化した、営業活動向けのソフトを提供している。
SAPが同日発表した2017年12月期暫定決算の売上高(IFRSベース)は前期比6%増の234億6,100万ユーロへと拡大した。クラウド事業が26%増の37億6,900万ユーロと好調で全体をけん引。主力のライセンス・サポート事業は2%増の157億8,000万ユーロだった。
営業利益(同)は5%減の48億7,700万ユーロへと落ち込んだ。クラウド事業の強化に向けた投資が響いた格好。純利益は10%増えて40億1,800万ユーロとなった。