サノフィ―ベルギーのアブリンクスを買収―

仏製薬大手サノフィ(パリ)は29日、ベルギーのバイオ医薬品企業アブリンクスを39億ユーロで買収することで合意したと発表した。患者が少ない希少疾病用治療薬部門の強化が狙い。アブリンクスにはデンマーク製薬大手ノボ・ノルディスクが買収を提案していたが、同社を上回る条件を提示し、アブリンクスの同意を取り付けた。

アブリンクスは血栓性血小板減少性紫斑病の治療薬「カプラシズマブ」など血液系の難病の治療薬で知られるメーカー。サノフィは同社を1株当たり45ユーロで取得する。

アブリンクスをめぐっては、ノボ・ノルディスクが1月初め、26億ユーロでの買収を提案したと発表した。しかし、アブリンクス取締役会は価格を不満として拒否していた。サノフィが提示した1株当たりの買い取り価格は、前営業日の終値に21%を上乗せした水準。ノボ・ノルディスクの提示額をおよそ5割上回る。

サノフィはこのところ買収攻勢を強めており、2017年7月にワクチン開発の米プロテインサイエンスを最大7億5,000万ドルで買収すると発表。今年に入って1月8日に血友病治療薬などを手がける米バイオベラティブを116億ドルで買収すると発表したばかりだ。バイオベラティブに続くアブリンクスの買収で、希少疾病用治療薬部門を大きく強化することになる。

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