独金属労組IGメタルは30日夜、自動車、電機、機械業界を対象に大規模な警告ストライキを開始した。16時間に及んだ27日の労使交渉が決裂したためで、来月2日(金)まで全国の工場など計275カ所でそれぞれ24時間のストを行う。雇用者団体ゲザムトメタルはスト差し止めの仮処分申請を行う意向を示していたが見合わせを決めた。自動車業界などではジャストインタイム生産システムが普及し各社は在庫を極力抑制していることから、影響は避けられない見通しだ。
IGメタルは今回の交渉で、賃上げ6%のほか、労働時間を一定期間短縮する権利を被用者各人に認めるよう要求。労働時間の短縮に伴う収入減少分の一部を企業が補うことも迫っている。
これに対しゲザムトメタルは、収入減少分を企業が部分補てんすると、労働時間短縮の権利を行使した被用者とそうでない被用者の間に不平等が生じると指摘。差別的で違法な要求だとして受け入れを拒否している。また、違法な要求の実現に向けたストは法律で禁じられているとして、ストの違法性確認を求める訴状をフランクフルト労働裁判所に提出した。
警告ストは本格ストと異なり通常、2~3時間単位で行われる。IGメタルが今回、異例の24時間ストに踏み切った背景には、労働時間短縮要求は強い圧力をかけないと実現できないという読みがあるとみられる。