蘭ロッテルダム港湾公社は1月31日、欧州最大の同港のモノのインターネット(IoT)化計画を発表した。「世界で最もスマートな港湾になる」(ポール・スミッツ最高財務責任者)ことが目標で、米IT大手IBMの協力を受けてデジタル化を推進していく考えだ。
全長42キロの港湾エリアにセンサーを設置して潮の流れ・満ち引き、温度、水位、風速・風向き、天気、視界、停泊スペース、通信などのデータを収集する。収集されたデータはIBMのIoTプラットフォームで解析され、港湾の安全で効率的な利用にリアルタイムで活用される。
同システムが完成すると、無線やレーダー通信を用いたこれまでの船舶誘導方法に比べて船舶の港湾停泊時間が最大1時間、短縮され、一隻当たりのコストを8万ドル削減できるという。また、停泊スペースの利用効率向上により、港湾の停泊能力が高まる効果も期待できる。
同港はデジタル技術を積極的に取り入れて競争力を高めていく方針で、2025年までには自動運行船も利用できるようインフラを整備する考えだ。