IT大手の米グーグルは16日、独ミュンヘン工科大学を支援することで合意した。人工知能(AI)やロボット分野で最先端技術の開発を支援するとともに優秀な人材を確保することが狙い。総額1億2,500万ユーロを投じる。
若い研究者・学生を支援するために、同大の基金に1億ユーロを寄付する。また、AI分野の起業家・スタートアップ企業を支援に今後3年間で約2,500万ユーロを投入する。グーグルの親会社アルファベットのエリック・シュミット技術顧問(前会長)は「自動化とロボットは人工知能の進歩によって今まさに起こっている第四次産業革命の本質的な要素だ。インダストリー4.0という構想はすべての製造業の母国であるここドイツで開発された」と述べ、IT分野の研究で有力なミュンヘン工科大を支援する意義を強調した。
ミュンヘンはグーグルにとって、独本社があるハンブルクに並ぶ重要なドイツ拠点で、2016年に開設したミュンヘン開発センターでは500人以上が勤務。クラウドにおけるデータ保護やAIの開発に取り組んでいる。
IT各社は今後の競争力で決定的に重要なAIの分野で専門家の確保に奔走しており、国際的な工科大学があるスイスのチューリヒではグーグルの雇用規模が2,000人を超えている。