総合医療大手の独フレゼニウス(バート・ホンブルク)は26日、後発医薬品子会社フレゼニウス・カービによる米同業エイコーンの買収計画を見直していることを明らかにした。新製品の認可手続きでエイコーンが不正を行っていた容疑が浮上しているためだ。フレゼニウスは現在、第三者による調査を実施中で、不正の事実が確認された場合は買収を取り止める可能性もあるとしている。
フレゼニウス・カービは昨年4月、米国の小規模病院・薬局向け事業に強いエイコーンを株式公開買い付け(TOB)を通して買収することを発表した。買収総額は債務の引き受けも含めて47億5,000万ドル。当初の計画では今年1月1日付で買収手続きを完了することになっていた。
フレゼニウスが同日発表した2017年12月期決算の純利益は前期比16%増の18億1,400万ユーロとなり、14期連続で過去最高を更新した。本業のもうけを示す営業利益が4部門すべてで増加。米国の税制改革もプラスに働いた。営業利益(EBIT)は7%増の45億8,900万ユーロだった。
売上高は15%増の338億8,600万ユーロと大きく伸びた。病院部門ヘリオスでスペインの民間最大手病院IDCサルー・ホールディングス(キロンサルー)を買収したことが大きく、同部門の売上高は48%増の86億6,800万ユーロへと拡大した。
18年12月期は為替変動調整後の売上高で5~8%増、同純利益で6~9%増を見込む。